いよいよ今回から、オンサイト面接について書いていきます。書類審査、Zoom面接に通るとオンサイト面接に呼ばれ、オファーの前の最終ステップとなります。オンサイト面接は1日から2日、朝から晩まで対面で面接が続くという、候補者にとっても大学側にとっても大変なイベントです。オンサイトに関しては沢山知見があるため、いくつかの記事に分けて書いていこうと思います。今回は概要編です。
オンサイト面接の流れ
Zoom面接の後、大体数週間後にオンサイト面接の連絡が来ます。アメリカ就活あるあるなのですが、もし次のステップに進まない場合は往々にして連絡が来ない、サイレントお祈りが一般的です。連絡が来た場合はメールで数週間後から1,2ヶ月後の予定を聞かれ、日程を決めるために秘書さんと何往復もメールを交わします。日程が決まった後は、「faculty host」と呼ばれる、候補者を案内したり面接の日程を組んだり等、全体的に面接がスムーズに進むよう調整する役目の教員が一人アサインされ、その人と主に連絡を取り合っていくことになります。
オンサイト面接の1,2日前には面接のスケジュール(朝何時に誰が迎えに来るか、ジョブトークや面接の時間、晩御飯や休憩の時間などなど)がfaculty hostから送られて来ます。一般的なパターンは、面接の前日の飛行機で現地入り、朝8時にホテルで面接官と朝食、9時に大学に移動、9:30-11時に30分ごとの1-on-1面接、11-12:30にジョブトーク、12:30-2時まで3,4人の教員と昼ごはん、2-6時まで30分ごとの1-on-1面接、6:30から複数の教員とディナー、といった感じでしょうか。これは1日目で、2日目がある場合はこれと同様、または飛行機の時間に合わせて昼過ぎに切り上げるようなスケジュールが組まれます。ご想像の通り、一人になれる時間などほぼ存在せず常に人と話しているのでだいぶ疲れます。
オンサイト面接が終わり家に帰った後、私はfaculty hostにホストしてくれてありがとう&無事に着きましたメールを送っていました。また、旅費や交通費や食費は大学側から出るため、レシートをまとめて事務の方に送るという作業も必要です。それが終わった後は、吉報を待つだけです。
ジョブトークや1-on-1の準備など色々とやれることはあるのですが、正直オンサイト面接は体力・気力・コミュ力勝負だと思います。私の場合、先述のような二泊三日以上のオンサイト面接が毎週、2ヶ月間にかけて合計10回あったため、とにかく睡眠だけはしっかり取れるように、メラトニンを飲んで調整していました。理系のアカデミア就活というイメージとは真逆かもしれませんが、オンサイト面接に関しては陽キャが圧倒的に有利だと思います。食事中も車での送迎中もとにかく常に教員と話し続ける必要があるため、研究以外の趣味の話題やジョークなどでも盛り上がれると良いと思います。結局、向こうに「こいつは面白い、同僚にしたい」と思ってもらうのが大事なので。
面接エピソード1
前回の記事で触れましたが、私の人生初のオンサイト面接は11月中旬に行ったUAEの大学でした。9月ごろにいきなり「グループ面接に来ないか」とメールが届き、恐る恐るパスポート等の情報を送ったらチケットを渡され、スケジュール等何も知らされないままボストンからUAE行きの飛行機に乗りました。空港で迎えのタクシーが来てくれていましたが、英語があまり話せない運転手の方と行き先も分からずアラビア半島の砂漠を爆走している間は、「人身売買」という四文字が頭をよぎりました。
結果的に、とても楽しく、よくして頂いたオンサイト面接でした。現地に着いた日の翌日は他の候補者と共に街をまわるツアーに参加し、翌々日はオアシスにある高級リゾートでグループ面接がありました。ジョブトークの時間が30分と通常に比べると半分の時間だった上、グループ面接ということで一般的なオンサイトに比べるとわちゃわちゃとした雰囲気でしたが、面接の空気感を掴む上でとても参考になりました。
なぜ私を招待してくれたのか聞いたところ、Rising Starイベントに参加した際に選考を担当した教員が私のことを非常に気に入ってくれていたらしく、その方が推して下さっていたようでした。
面接エピソード2
2回目のオンサイト面接、そして初のアメリカでの面接は、私が来年の1月から着任予定であるコーネル大学でした。12月中旬にZoom面接を行い、1月初旬には連絡が来たのですが、「早めにスケジュールをしてくれ」と押され、結局1月末にスケジュールしました。志望度が高かったため、他の大学の面接をこなして経験を積んだであろう2月下旬から3月初旬にスケジュールをしたかったのですが、先方があまり柔軟ではない時も多々あります。行ってから知ったのですが、私がシーズン初のオンサイト面接に来た候補者だったようです。
コーネルのオンサイトが決まってから1月中になんとかジョブトークを準備し、あと数日で面接だという時点で大問題が発生しました。アメリカ全土を猛吹雪が襲った影響で、私が乗る予定だった月曜の便がキャンセルされるというのです!面接に行けないのは論外のため、キャンセルが決まった当日(土曜でした)中になんとかイサカに行く方法を必死に考えました。ボストンから長距離バスも出ていましたが、幸にして飛行機を土曜日に振り替えることができたため、吹雪の前に現地入りすることができました。そのため、コーネルには3日分余計に食費と宿泊費を払ってもらうことになり、「怒られるのかな」と少し不安でしたが、結果的にこの判断は大正解でした。Faculty hostの方から「決断力と行動力があって素晴らしい」というようなことを何回も言われ、塞翁が馬だなと思いました。
コーネルの候補者は全員、イサカキャンパスだけでなくコーネルテックキャンパス(私の勤務地です!)でも面接があるため、イサカでの面接が終わった直後にバスでニューヨークに向かいました。コーネルテックでの面接の後はNYUの副島さんとブランチを食べ、Amtrakでボストンに戻る予定だったのですが、ここでもまた前述した大雪の影響でAmtrakが大幅に遅延しました。
面接エピソード3
シンガポールでの面接のためNYCからボストンに戻ってくる当日の夜にボストンを出発する便を予約していたため、遅延の影響で自宅への滞在時間が2時間を切ってしまいました。コーネルに5泊した分の着替えを洗濯し、シャワーを浴び、シンガポールに行く準備をしてほぼとんぼ返りで空港に行きました。時差ボケを面接までに緩和するため、シンガポールには面接当日より1日半早く現地入りしていて、到着した後は頑張って観光をして時差ボケを直すように努めました。
シンガポール観光もシンガポールの大学でのオンサイト面接もとても楽しく、ご飯も美味しく、充実した時間を過ごすことが出来ました。アメリカの大学はオンサイトが終わってからオファーが出るまでに最低でも数週間かかるところが多いのですが、シンガポールの大学では面接した当日の夜にはオファーを出して頂くことができ、精神衛生上良かったです。私にとってはそれが最初に出たオファーでした。
ボストンに帰ってきた後、数日後には別のアメリカの大学でのオンサイト面接がありました。時差ボケがなかなか治らず、ジョブトークが午後にスケジュールされていたこともあり、面接でのパフォーマンスが通常よりも悪かったなと感じました。そこでの反省を活かし、それ以降はメラトニンを飲んで強制的に寝ることにしました。アメリカは東西で時差がありますし、イギリスにも面接で行ったので、時差ボケへの対策は早めにしておくべきでした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。次回は、もう少し具体的な準備について書く予定です。




