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アカデミア就活振り返り Part 3(Zoom面接編)

前回のPart 2に引き続き、今回はアカデミア就活のZoom面接について書いていきたいと思います。連載形式で書いていますので、Part 1から読んで頂けると話が繋がると思います。

今回は、公募からZoom面接前後の話をしたいと思います。

Hiring freezeについて

Zoom面接の話を始める前に、前回の公募の話の続きでhiring freezeの話をしたいと思います。コンピューターサイエンス分野だと従来はどの大学も一年に一人は新しい教員を雇うのが一般的でしたが、トランプ政権がNIHやNSF、各大学に圧力をかけファンディングを縮小した影響で、2025年と2026年度は平年よりも公募が少なくなりました。2027年度も急激に回復するとは思えないため、今から出そうと考えている方は注意が必要です。

実際、私が出した2026年度は以下の大学がhiring freeze、つまり公募なしという状況でした。
Caltech
UCSD
UCLA
UC Santa Cruz
UC Santa Barbara
Harvard
Yale
Brown
Northeastern
Northwestern
Duke
BU
USC

選択肢が少なく、自分が興味のある大学から公募が出ないのは残念なことですし、実際「今年はジョブマーケット厳しかったね」とよく話題になります。個人的には、去年の今頃には厳しいであろうことは分かっていましたが、公募を出す大学がゼロではない以上何処かからはオファーが出るのではないかと楽観的な姿勢で臨みました。分野でトップの候補者であればどんなに悪い年でも何かしらのオファーは出ているようなので、準備が出来たと自分自身が思うなら出した方が良いのではないかと思います。教員になってから大学を移る人も沢山いますし。

Zoom面接の流れ

書類やオンサイト面接に比べてZoom面接は影が薄いですが、油断は禁物です。先輩から、「自分はZoom面接でなぜその大学に行きたいのかハッキリ言えず、オンサイト面接に繋がらなかった」と怖いアドバイスを受けたため、私はある程度準備をしてZoom面接に臨みました。結果的に、Zoom面接をした大学からは一校を除いた全ての大学からオンサイト面接のお誘いが来たため、準備が功を奏したと思います。

11月末に公募を出した後、連絡が来るかどうかソワソワする数週間から二ヶ月弱を経て、各大学からZoom面接に招待するメールが届きます。大体、「下記の日程から都合が良い日を教えて〜」というパターンが多いですが、「明日空いてる?」等、突然なこともあります。2月中旬まではいつ何時Zoom面接の連絡が来ても大丈夫なように、心の準備をしておく必要があります。

時間は15分から1時間まで多種多様ですが、流れは大体同じです。Zoom面接の連絡が来たら、どの教員が面接するのか(大体3-7人はいます)を聞いて、彼らのバックグラウンドを少しは調べると良いと思います。

Zoom面接の内容・準備

私の個人的な肌感覚として、Zoom面接ではソフトスキル(研究の説明、質疑、会話が教員としてのレベルに達しているか)と、「この大学にどれだけ興味があるか」が見られていると思いました。Zoom面接は時間が短い上に聞かれることが定型的なため、事前の準備が大きく明暗を分けると思います。私は、想定される質問と自分の回答をGoogle docsに書いて、Zoom面接中チラチラと見れるようにしました。

「What is your research?」や「What are your research plans for the next five years?」は、ほぼ確実に一番最初に聞かれます。明示的に「なぜこの大学の教員になりたいか」と聞かれていなくても、research planを話す時には「この大学のこの人とコラボレーションしたい〜」「この教員とは研究分野が近く、良いディスカッションが出来ると思う〜」といったように、その大学に興味あるよ、ちゃんと下調べしましたよ感を出すように頑張りました。自分と近い分野の教員の名前を調べるのは必須だと思います。

教育に関する質問、「Which course can you teach?」や「What is your teaching philosophy?」などもよくある質問です。こちらも、大学のウェブサイトで既存の授業を調べて、どの授業を担当できるか、もし新しい授業を作るとしたらどのようなことを教えたいか等、具体的に回答できると良いと思います。

「Why <大学名>」や「How do you feel like living in <都市名>」も少ないですが聞かれます。やはり大学としてもオンサイト面接には本気でその大学で働きたいと思っている候補者を呼びたいわけで、なぜその大学が魅力的なのか、その街や州に住むことに対してどう感じているのか等、先方としても気になるところだと思います。

最後に、「Do you have questions for the committee?」と必ず聞かれますので、2,3個は質問を用意しておきましょう。私は大学について調べた上で気になったこと(CSとEEが分かれている場合、EEとコラボレーションすることは可能であるかや、college/school/departmentの仕組みが複雑な大学が多いのでその辺りとか)を聞きました。やる気を見せる点で質問することはとても大事です。

以下のようなウェブサイトで想定質問に対しある程度練習することもできます。
Interview Questions for Computer Science Faculty Jobs

イレギュラーなケース

非常に珍しいケースだと思いますが、「公募に出していないのに面接の連絡が来る」ということが2回ほどありました。一つ目は11月にグループインタビューに呼ばれたUAEの大学で、Part 1に書いた通り9月ごろにいきなりメールが来ました。二つ目は、12月初旬にアメリカの某有名州立大学から「ウェブサイトにfaculty job market出ているって書いてあるね。もし興味があればうちの学科に応募してね」と連絡が来ました。その大学のCSには出していましたがECEには出していなかったためすぐに書類を公募に出し、なんとメールが来た翌日にZoom面接をすることになりました。どちらの大学も最終的にオファーを頂けました。

また、Zoom面接中にハプニングもありました。とある北米の大学と面接中に、オフィスの火災報知器が鳴り止まなくなり、一旦Zoomから抜けてEECS adminのオフィスまで走り、事情を説明して空いていたオフィスを急遽使わせてもらいました。5分から10分程度のロスタイムが発生し、またハプニングによってその後もベストパフォーマンスを出せなかったかな、と思い落ち込みましたが、その大学からはオンサイト面接に呼んでいただけた上オファーも頂けました。

Zoom面接後に面接官にメールでフォローアップするのは必須ではないと思いますが、私は特に行きたい大学や、言い残したことがあると感じた時にはフォローアップのメールを出しました。例えば、火災報知器が鳴ってしまった面接の後には、時間をとって頂いた感謝と共に、「Sorry for the interruption」というような事を書きました。他にも、何か聞かれた時に完璧に答えられなかったことや、面接官が話していて特に面白いと思った事など、できるだけ一般的にならずパーソナライズするように気をつけました。特に言うことがないと感じた面接では、フォローアップは送りませんでした。

面接によって「数枚スライドを準備して来てください」と言われることもありましたが、私はその場合でもスライドは準備せずに臨みました。というのも、私の専門であるプログラミング言語・コンパイラの分野では、美しい画像や動画が研究成果としてあるわけではないので(ダイアグラムや数式しかないのでむしろugly...)、過去色々な人に自分の研究内容を説明する中で、逆にスライドがない方が私の話に集中してもらえ、相手に分かってもらえる確率が高いなと感じていました。なので、スライドがあると逆に邪魔になると思い、用意せずにトークだけで面接に臨んでいました。今思うと舐めすぎやろと思います...。グラフィックスやHCIなど、視覚情報が多い分野の方は絶対にスライド準備した方がいいと思います。

次回はいよいよ、オンサイト面接に関して書いていこうと思います。